こんばんは。
ある企業の製造現場での5Sに関わる改善例を紹介します。
その職場の問題点のひとつとして、モノを置くときに縦横を揃えておくことが出来ない状況が多々ありました。
作業台が斜めに置かれていたり、机上の道具が斜めになっていたりという状態です。
課題は、ちゃんと縦横を揃えておくようにしましょう、という簡単なことなのですが、そのことを徹底するのに苦心していました。
現場の作業者に対して管理職から、ちゃんと置いてください、ということを繰り返し言うことも行っていましたが、時間に追われた多忙な状況において、どうしても二の次の状態になっていました。
ある時、製造課長からスローガンを決めようということで案が出されました。
「置く時、直角」、です。
シンプルで歯切れが良く、覚えやすい短文です。
そして、現場では大変興味深い使われ方がなされました。
問題のあるところに対して、「ちゃんと置き方を守りましょう」と言うのではなくて「置く時、直角」と、指差呼称をするだけです。
注意された側にとって反発心も起きず、素直に対処されていく状況が生まれていきました。
時間とともに、現場のモノの置き方のレベルは上がっていきました。
シンプルなスローガンと、注意を促すときの工夫の仕方には、参考になる点があります。
問題があったとしても、注意する側と注意される側という関係を生み出すのではなく、一緒に決めた目的に向かって一緒に頑張ろうというお互いが同じ方向を向いているスタンスのような感じがしますね。
5S活動は、技術的な課題というよりは、そうしようと思う意識改革のほうが重要な課題です。
どうやって当事者の意識を変えていくか?
その工夫が、求められます。